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コメ需要22万トン減の衝撃

「毎年10万トン減」の定説超える 生産抑制で米価維持限界

コメ離れが一段と進んでいる。農林水産省がまとめた2019年産米の需要(19年7月~20年6月)は前年比22万トン減の713万トン。「年間10万トンずつ減る」という業界の定説をはるかに上回る減少幅に衝撃が走った。消費税増税や景気悪化で消費者の節約意識が強まるなか、減反廃止後も生産量を抑えてコメ価格を高値で維持してきた政策は限界を迎えている。


「価格が3年ほど比較的高水準だったことが消費者の行動に影響を与えているのでは」。7月下旬の農水省食糧部会。7年ぶりの大幅な需要減に重苦しいムードが漂うなか、同省の担当者が遠慮がちに説明した。

JAグループなどがコメ卸と交渉して決める卸値は、最大の集荷団体である全国農業協同組合連合会(JA全農)の提示価格が指標となる。全農以上にまとまった数量や多くの銘柄を供給できるところはないためだ。19年産米の卸値(全銘柄平均)は60キログラム(1俵)1万5725円。5年連続で上昇し、過去10年で2番目に高い水準だった。

米価は上昇傾向

高値の主因は農水省が減反廃止後も飼料などへの転作に手厚い補助金を出し、主食用米の生産を抑えたことだ。これで農家の手取りは増えたが、店頭価格は上昇し業務用の安いコメは不足した。

農水省はこれまで米価と需要の関係に積極的には触れてこなかった。だが昨秋の当初予想を14万トンも下回る衝撃に「なぜ大きく減ったか検討」(農水省)し、配布資料に明記した。コメの需要と価格は一定の相関性が見える。「値上がりした年に需要が減り、値下がりした年に減少幅が抑えられるのは事実」(同)だ。

これに即座に不快感を示したのが全国農業協同組合中央会(JA全中)だった。部会で「需要減の理由は高齢化や肉食への転換など様々。価格が高いとか安いとかよりもそこをしっかり分析してほしい」と色をなした。

「年10万トンの需要減」の背景には人口減少や食生活の多様化など生活様式の変化がある。低糖質ダイエットの流行なども指摘されている。そこに「米価上昇と昨秋の消費増税で消費者心理が冷え込んだところにダメ押しで新型コロナウイルスが重なった」。コメ卸最大手、神明ホールディングス(神戸市)の藤尾益雄社長は振り返る。

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総務省の家計調査では19年10月のコメ購入数量は前年同月比11%減る一方、パンと麺類は2%増えた。店頭で5キロ2千円と1回の金額が大きいコメは他の食品より高いと思われがちだ。「1年で一番売れる新米時期の増税が響いた」(米穀安定供給確保支援機構)

コロナ禍で家庭内食は増えたが、それ以上に飲食店休業と外出自粛で消費は減退。農水省試算では3~6月のコメ販売量は家庭用が前年同期比7万7千トン増えたが、業務用は8万6千トン減った。

業者から不満も

生活防衛意識の強まりから「売れ筋商品が変わってきた」(藤尾社長)。単一銘柄のコメよりも2~3割安いブレンド米の販売が伸びている。

業務用米を使う企業にはコメ政策への不満が根強い。原価上昇で廃業する炊飯業者も現れ、日本炊飯協会(東京・豊島)の福田耕作顧問は「国は調子に乗って高い米価施策をやり過ぎた」と憤る。

1995年の食糧管理法廃止後も残った減反政策は、農家の競争力低下が指摘され18年に幕を閉じた。ただ米価下落に対する自民党や農協の警戒感は根強い。補助金による転作誘導策が残り、20年度は増額された。主食米の生産抑制が高値を生み、さらに需要が減る負のサイクルは継続中だ。

だが20年産米の需要は「700万トンを割る可能性もある」(藤尾社長)。生産抑制策はじり貧を招きかねない。主食米の減産を要件とした転作補助は段階的に見直し、生産コストを下げて消費者が求める安いコメをつくる農家の支援も必要だ。

業務用米が主力の大手生産法人フクハラファーム(滋賀県彦根市)の福原昭一会長も「転作補助で米価を無理やり維持する策はもう通用しない」と断じる。「国が農家のことを考えるなら、誰がどんなコメを欲しがっているかを真剣に考えてほしい。コメ離れで一番あおりを食うのは我々大規模農家だ」

日本経済新聞電子版より